作物の難敵害虫を駆除する天敵昆虫利用マニュアルを公開
:農業・食品産業技術総合研究機構(2015年12月7日発表)

 (国)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の中央農業総合研究センターは12月7日、園芸作物の栽培で問題となっている害虫を駆除する天敵昆虫の利用技術を開発、その利用技術マニュアルを公開したと発表した。

 キュウリやトマトなどの施設栽培では、アザミウマ類、コナジラミ類といった微小な害虫が媒介するウイルス病が発生する。これらの害虫は殺虫剤への抵抗性が強い上、ごく少数でも残ると施設全体にウイルス病が拡がるため新たな防除技術の開発が求められている。

 農研機構は、天敵昆虫の一種、「タバコカスミカメ」を利用してキュウリに付くアザミウマ類、トマトに付くコナジラミ類の両害虫を駆除する利用技術を開発、そのマニュアルの電子版を公開、さらに冊子体を希望者に提供する。

 利用する天敵昆虫「タバコカスミカメ」は、農作物のゴマや鑑賞用植物のクレオメなどに生育することが知られ、餌にする虫が周りにいなくなると果実を傷めずに葉などの汁液を餌にする性質がある。そのため、餌となる害虫が少ない時でも施設内の個体群を維持でき、害虫発生初期から効果を期待できるという。

 冊子の申し込みは、Eメールで。電子版マニュアルのURLは、http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/narc/manual/060741.html

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