(国)防災科学技術研究所と情報・システム研究機構統計数理研究所は12月10日、東アジアと日本における将来の気候変動の確率地図を作成したと発表した。
この地図は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告で用いられた「第3次結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP3)」の21個の全球気候モデルを使って作った。
それによると、21世紀後半の東アジアの月平均気温は、タイやベトナム、パプアニューギニアなどを除くほとんどの地域の月平均気温が現在より2℃以上高く描かれ、その確率を70〜80%以上としている。夏より冬の方が2℃以上上昇する確率が高くなっている。4℃以上上がる確率は、熱帯で10%以下、中緯度地域で30~60%としている。
日本については、20km四方を基本単位に気温変化の確率を地図化しており、同様に21世紀後半には70〜80%の確率で2℃以上月平均気温が上昇し、4℃以上上がる確率は夏で20~40%、冬で30~60%、北海道では60~80%、10年に1回月平均気温が3〜5℃以上上昇すると推定している。

東南アジアにおける21世紀後半の気温上昇の確立地図(提供:(国)防災科学技術研究所)