X線天文衛星を2016年2月12日に打ち上げ
:宇宙航空研究開発機構(2015年12月11日発表)

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筑波宇宙センターで公開されたASTRO-H(提供:JAXA)

 (国)宇宙航空研究開発機構と三菱重工業(株)は12月11日、X線天文衛星(ASTRO-H)を2016年2月12日に種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)からHⅡ-Aロケット30号機で打ち上げると発表した。この30号機では、相乗りの小型衛星4基も打ち上げる予定。

 X線天文衛星(ASTRO-H)は、ブラックホールや超新星爆発、銀河団などをX線やガンマ線を使って観測、宇宙の構造や進化などの解明を目指す。2015年8月に10年にわたる観測を終えたX線天文衛星「すざく」の後継機として開発された。

 内外200人を超す科学者が開発に参画しており、初のマイクロカロリメーターによる超高分解能分光観測や硬X線望遠鏡による高精度撮像分光観測などが可能な望遠鏡や検出器を6種類搭載する。打ち上げ後は、高度約575kmの円軌道を約96分かけて1周する。

 同時に搭載する相乗り衛星は、▽「ChubuSat-2」(名古屋大学):放射線観測、アマチュア無線の中継▽「ChubuSat-3」(三菱重工業(株)):温室効果ガスの影響把握、デブリ環境観測▽「鳳龍四号」(九州工業大学):放電実験、プラズマ密度計測、真空アーククラスタ実証▽米国商業超小型衛星(有人宇宙システム(株)):キューブサットを用いたコンステレーションによるリモートセンシング、などの4基。

 打ち上げは12日の午後5時45分~同6時30分の時間帯を予定しているが、天候などの理由で打ち上げられなかった場合、予備期間として13日~29日の間に打ち上げを行う。

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