(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月11日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士がロシアのソユーズ宇宙船で同日午後10時12分頃(日本時間)、中央アジアンのカザフスタン共和国に着陸し、142日の滞在を終えて無事地球への帰還を果たしたと発表した。
■142日の長期滞在、ロボットアーム操作も
この日、油井さんらは、午前6時49分にISSを離れ、高度140km付近で帰還カプセルが分離され、大気圏に突入、大きなパラシュートが開き、無事着陸した。油井さんは「ただいま。体は大丈夫です。重力を感じます。宇宙も素晴らしいですけれど、地球もいいですね。冷たい風が気持ちいいです」と語った。
油井さんはISSの第44/45次のクルーの一員として米露の宇宙飛行士とともにロシアのソユーズ宇宙船で7月23日午前6時2分、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、同日ISSとドッキング、長期滞在を開始した。
油井さんISSシステムの運用・維持管理のほか、8月にはわが国の無人物資補給船「こうのとり」5号機のISSとのドッキングに際して、油井さんがISSのロボットアームを操作し「こうのとり」を捉える作業を成功させた。また、高品質タンパク質結晶生成実験や宇宙の「暗黒物質」など解明を目指す「高エネルギー電子、ガンマ観測装置」の設置、小動物の飼育装置の設置など多くの実験設備などを構築した。
油井さんは長野県出身の防衛大学校卒の元航空自衛隊戦闘機パイロット。2009年2月に歴代最年長の39歳で宇宙飛行士候補に選ばれ、2012年10月に今回のISS長期滞在クルーに選ばれた。
宇宙飛行した日本人は1990年の秋山さん以来10人となった。今回の油井さんに続き、2016年6月頃から大西卓哉宇宙飛行士が第48次/49次クルーの一員としてISSに長期滞在する計画だ。