遺伝子組換え体由来の試薬の不適切処理で再発防止策
:産業技術総合研究所

 (独)産業技術総合研究所は11月28日、文部科学省から同日、遺伝子組み換え体由来の試薬の不適切な処理を行なったとして厳重注意を受けたことを明らかにし、再発防止策を発表した。
 同研究所四国センター(香川・高松)で2010年4月から2012年9月にかけて、拡散防止措置をとるべき遺伝子組換えバキュロウイルス(昆虫に感染するウイルス)の混入している可能性のある研究用試薬を使ってタンパク質定量解析実験を行った。その際、実験器具を洗浄した液や実験器具の一部について不活化処理をしないまま廃棄したことに対し、この日の厳重注意が行なわれた。
 環境への影響について、実験器具類は廃棄用のパックに密閉して委託先の処理場で高温焼却処分されたことを確認していること、廃水は処理過程で次亜塩素酸や日射中の紫外線などにより同センター内で不活化されたと考えられること、組換えバキュロウイルスは、動植物や微生物への病原性はなく、野生株より環境耐性は低下していることなどから、環境への影響はないと判断しているという。
 産総研では、実験従事者の不注意、実験責任者らによる指導、注意喚起や所内での管理・教育訓練が不十分だったとして、全事業所職員に注意文書の配布や所内ウェブサイトなどで遺伝子組換え体を含む試薬購入や廃棄時の注意を促し、内部規則に廃棄方法などを明確に記載するなど周知徹底を図るとしている。

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