「アッという間の4カ月…帰るのが寂しかった」
―宇宙に長期滞在の星出さんが帰還後初の会見
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月30日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在して地球に帰還した宇宙飛行士の星出彰彦さんが日本時間11月29日朝、帰還後初の記者会見を行ったと発表した。この会見は星出さんが帰還後、医学検査やリハビリテーションを受けている米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターのある米国ヒューストンのJAXA駐在員事務所、東京・丸の内のJAXA東京事務所、ワシントンのJAXA駐在員事務所をテレビ会議システムで結んで行った。
 星出さんは冒頭、「アッという間の4カ月。最後の2週間はこれで帰ってしまうのが寂しく、名残り惜しい気持ちが強かった」と感想を語った。
 質疑応答で、太陽電池パドル熱制御装置の修理などのため、3回行って日本人宇宙飛行士として最長時間記録をマークした船外活動については「もうちょっと上手くやったら良かったかなというところはゼロではないが、やるべきことはやれたと思う」と自己評価した。
 また、ISS日本実験棟「きぼう」での実験については、星出さんが前回(2008年)の宇宙飛行で自らがISSに取り付けているので、「『きぼう』の船内実験室に到着したら『帰ってきた』という印象が強かった」そうだ。前回と比べ「良い意味で手垢が付いており、地上チームも、この4年間で力をつけて頼れるプロの集団になった、と強く感じた」という。さらに、作業を担当した小型衛星放出実験では「バネで押し出すだけで凄いことが出来るのを実感した」と述べた。
 NASAのジョンソン宇宙センターで続けているリハビリテーションについては「厳しいインストラクターの指導で、身体は戻ってきており、地球帰還直後は、船から陸に上がったようにふらつく気がして、自分が”ゾンビ”のような感じだったが、今は自分では90%回復したと思っている」と語った。星出さんは引き続いて医学検査やリハビリテーションを進める一方、ISS長期滞在に関する技術報告会の準備などする。

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地球帰還後、記者会見する星出宇宙飛行士(提供:JAXA)