中山間地域に適した水稲の新品種を開発
:中央農業総合研究センター

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センターは11月26日、「コシヒカリ」に近い味(食味)を持つ早生(わせ)の中山間地域向け水稲の新品種を開発したと発表した。
 中山間地域とは、都市や平地以外の中間農業地域と、山間農業地域の総称。その中山間地域では、近年、中核農家や農業法人の経営規模が大きくなっており、早生で、冷害やいもち病に強く、業務用米の需要に対応しうる多収で食味のよい水稲の開発が望まれている。
 新品種は、「夢の舞」といい、「コシヒカリ」より熟期が早く、冷害やカビの一種のいもち病に強い上、「コシヒカリ」より多収という特徴を持つ。
 “おいしいお米”の代表品種「コシヒカリ」は、いもち病に非常に弱いほか、出穂が8月中旬と遅いため刈り取りが遅く、丈が長いので倒れやすい、といった弱点を持つ。
 「コシヒカリ」の収量は、早生品種の8~9割といわれているが、新品種「夢の舞」は島根県の中山間地で行った現地試験栽培で「コシヒカリ」より25%多い10a(アール:1aは100㎡)当たり576kgの玄米収量を記録しているという。
 「夢の舞」は、「冷害やいもち病が問題となる中山間地域の稲作経営に貢献することが期待される」と同研究センターはみている。
 島根県の山間部にある農業法人が数十ha(ヘクタール:1haは10,000㎡)の「夢の舞」の作付けを計画している。

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