国土交通省の国土技術政策総合研究所は6月10日、地震の時の木造住宅の損傷をシミュレートするソフト「ウォールスタット」の最新版を公開したと発表した。
「ウォールスタット」は、同研究所がホームページに2010年から載せている無償ソフト。このソフトを使えば、パソコン上でモデル化した木造住宅に地震動を与えて変形の大きさ、損傷状況、倒壊過程を動画で確認することができる。
これまで、実験が難しい巨大地震時の木造住宅の倒壊可能性のシミュレーションなどに多用されてきたが、最新版はさらにバージョンアップを図ってCAD(コンピューターを使って行う設計)で作成したデータを直接読み込めるようにした。
木造住宅用CADの出力データを直接読み込んでそのまま地震応答シミュレーションが行えるようになったため、「これまで入力に時間がかかっていた解析モデルの作成が簡単になる」という。
また、新バージョンには、様々な波形の地震動を入力したり、「パラメトリック・スタディ」と呼ばれる建物の強さを自動で変化させて地震応答シミュレーションを連続で自動実行させたりする機能も追加され、より使いやすくなっている。