ネパール地震の被害調査報告を発表
:防災科学技術研究所(2015年6月11日発表)

 (国)防災科学技術研究所は6月11日、今年4月に発生したネパール地震の被害調査報告を発表した。

 この地震が発生したのは、4月25日の午前11時56分(現地時間)。首都カトマンズの北西80km付近が震源で、地震のエネルギー規模を表すマグニチュード(M)は7.8を記録、その後の5月12日に発生したM7.3の最大余震による被害を含め6月7日までにネパール国内だけで8,712人の死者が確認され、約50万棟の建物が全壊している。

 今回の調査は、同研究所から4人の調査員を現地に5月26日から6月5日まで派遣して行った。調査員は、首都カトマンズとその周辺の都市部、さらに、カトマンズから東へ25~70kmや、北へ30~40kmの山間部まで足を運び調査を行った。

 その結果、都市部での鉄筋コンクリート構造の建物は、無傷か軽微な被害だった。しかし、「ノンエンジニアド住宅」と呼ばれる石や日干しレンガ、焼成レンガなど、その土地で入手が可能な材料を使い、マッド(泥)モルタルで接合して建てた住宅では、甚大な被害が生じていることが判明した。その耐震性向上対策として2001年のインドブジ地震、2004年のパキスタン北部地震の際に採用された耐震性向上工法の導入があると提案、「今回被害を受けた建物にも適用できると考える」と考察している。

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