(国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月8日、小惑星「1999 JU3」を目指して飛行を続けている小型探査機「はやぶさ2」搭載のイオンエンジンの2回目の連続運転を無事終えたと発表した。「はやぶさ2」は、2010年に小惑星「イトカワ」からサンプルを持ち帰った「はやぶさ」の後継機。
イオンエンジンは、「はやぶさ2」の主エンジンで、燃料をプラズマ状のイオンにして噴射し推進力を得る方式のロケットエンジン。「はやぶさ2」は、イオンエンジンを作動させて速度を上げる1回目の運転を3月3日から行い、409時間の連続運転を既に済ませている。
今回のイオンエンジン連続運転は、それに続くもので、6月2日から7日の午前0時25分まで102時間続けられ、1回目と合わせた連続運転時間は511時間になった。2回にわたる連続運転の結果に「ともに計画通り」とJAXA。
JAXAは、今回のイオンエンジン連続運転中に取得したテレメトリーデータ(探査機の状態を示すデータ)の詳細な解析を実施して、今後の「はやぶさ2」の飛行に反映させていくことにしている。
「はやぶさ2」が打ち上げられたのは、2014年12月3日。6月8日午後2時現在、地球から約5741万km、太陽から1億5315万kmのところを秒速29kmの速度で飛行中。2018年半ば頃「1999 JU3」に到着し、1年半ほど留まった後、地球に帰還することを目指している。地球到着は、2020年末頃の予定。