情報収集・救援のヘリ運航管理で有用性を実証
―「災害救援航空機情報共有ネットワーク」評価実験で
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月31日、総務省消防庁と神戸市消防局の協力のもと、「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」を使った消防防災ヘリコプターの運航管理システムの評価実験を行い、同システムの有効性を実証できたと発表した。
 災害発生時、従来の運航管理では、各ヘリコプターと運航拠点の間は、航空無線を使った音声通信で情報のやりとりが行われ、災害情報はホワイトボードなどを使って整理・共有化され、ヘリコプターへ任務の割り当てがされている。
 D-NET搭載したヘリコプターでは、災害情報をデータ化して衛星通信で送信。運航拠点では、送られてくる災害情報が地理情報システム上に表示され、それに基づいて最適なヘリコプターに任務を与える判断支援をシステムが行う。
 10月27日に行われた24年度緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練では、姫路市で震度6強の地震が発生したとの想定で、7機の消防防災ヘリコプターが参加。従来手法で運航管理が行われた。
 これとは別に、D-NETを搭載した神戸市消防防災ヘリコプター1機とD-NET搭載したJAXAの実験用ヘリコプターが参加、運航拠点、災害対策本部、総務省消防庁などにもD-NET端末を設置して災害情報の収集、任務遂行など一連の運航管理を行った。
 その結果、従来の手法と比べて災害の発見からヘリコプターへ救援活動を伝達するまでの時間を約72%(23分程度)短縮できた。また、東京・霞ヶ関の総務省消防庁でも、ヘリコプターの活動状況がモニターできることで、現地以外からも最適なヘリコップターの派遣が迅速に行える効果も確認できた。

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