(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月15日、同日開かれた宇宙開発委員会に現行の中期計画の一部変更を報告したと発表した。ロケット開発では、液化天然ガス(LNG)推進系の技術完成に向け基礎的・基盤的な研究推進を明記。また、科学衛星開発計画では、陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」の平成25年度打ち上げなど3つの衛星計画が新たに加えられた。
LNGロケットについて現行中期計画では、「今後の進め方については宇宙開発委が行っている評価結果などを踏まえて進める」としていたが、今回「研究開発の推進」が明確化された。
一方、新たに追加された3科学衛星計画は、現行の中期計画策定後に宇宙開発委での審議などを終えたプロジェクト。「だいち2号」では「だいち」搭載の地表観測レーダーを高性能化して搭載、広域観測と高分解能観測を両立させる技術を発展させる。開発費は約273億円。
「次期X線天文学衛星(ASTRO-H)」と「小型衛星(SPRINT)シリーズ」も中期計画に加えられた。「ASTRO-H」は、観測機器などでの大規模共同開発を米国と行う国際的な衛星で、重さ約2.5t。平成25年度打ち上げの計画で、開発費は約178億円。
「SPRINTシリーズ」は、より安く、より早く、挑戦的な宇宙科学を実現するための小型衛星シリーズで、5年に3機ほどの打ち上げを目指す。1号機打ち上げは平成25年度。開発費は約48億円。
No.2010-36
2010年9月13日~2010年9月19日