(独)産業技術総合研究所は9月15日、川田工業(株)と共同で身長151cm、体重39kgというスリムで軽量なボディーを持つ新しい人間型ロボット「HRP-4」を開発したと発表した。 腕や足、腰などの関節は、全部で34の自由度を持ち、人間により近いきめ細かな動作を実現、ロボットを動かすためのソフトも既存のものを多数利用できるようにした。 人間と共存して様々な作業をこなすロボットを実現するには課題が多いが、そうした次世代ロボットの実現を加速する研究開発用として大学や研究機関に提供したいという。 開発に当たっては、川田工業が主にハードウエアを、産総研がロボットの動作を制御するソフトウエアを担当した。 新しいロボットをスリムで軽量にしたのは、人間と一緒に作業する場合でも十分な安全が確保できるようにするため。腕や足などの関節に取り付けたモーターも、片腕で0.5kgの荷物を持ち上げられる一方で、必要以上の力が出ないよう80W以下にして安全性を高めた。 また、人間に近いきめ細かな動作ができるよう、特に手や指などの自由度を片腕で7自由度にするなど強化した。研究開発用として利用しやすいよう、従来のソフト資産を有効活用できる互換性をもたせ、ハードの価格も2,600万円に抑えた。 ロボットのソフト開発は、これまで機関ごとに進められ、一から開発していることが多かった。価格が高いこともロボットの産業化を妨げる大きな要因となっていた。 新ロボット「HRP-4」は、川田工業が受注生産し、2011年1月以降、国内外の大学、研究機関に提供していく予定。
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新開発の人間型ロボット「HRP-4」(提供:産業技術総合研究所) |
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