EUの測位衛星「ガリレオ」のデータ提供を開始
:国土地理院(2016年3月31日発表)

 国土交通省の国土地理院は3月31日、4月1日から欧州連合(EU)の測位衛星「ガリレオ」の信号の提供を開始すると発表した。

 国土地理院は、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された全国約1,300の電子基準点で測位衛星の観測を行いそのデータを解析して地殻変動を監視すると共に観測データの提供を行っている。今回その内の準備が整った電子基準点786点からガリレオの信号提供を開始することにしたもの。

 国土地理院は、これまで日本の準天頂衛星システム、米国のGPS(全地球測位システム)、ロシアの測位衛星「グロナス」のデータ提供を行ってきたが、今回のガリレオのデータ提供開始により複数の衛星測位システムの利用ができるようになる。

 これによってビルや樹木などの障害物によって衛星信号が受信しにくい都市部や山間部でも測量ができるようになるという。

 ガリレオは、EUが進めている全地球航法衛星システムと呼ばれる実用衛星システムで、2020年までに高度24,000kmの上空に30基の航法衛星を打ち上げて運用することを目指している。

 全国約1,300の電子基準点の内の残り約500点についても、今後3年程度で提供できるよう順次対応を進めていくと国土地理院はいっている。

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