国土交通省の国土地理院は12月11日、西之島沖の噴火により出現した新島を空から撮影した写真を発表した。
新島は、11月20日午前、西之島の東南東約500mの海上で噴火が見られたあと、午後4時過ぎに確認された。その後も噴火が続いた結果、島は拡大した。
国土地理院は、保有する航空機「くにかぜⅢ」を派遣して小笠原諸島を対象に12月上旬から中旬にかけて空中撮影を行い、観測を続けた。今回公表された写真は、12月4日に撮影されたもので、現地を立体的に把握できるよう、撮影は、オーバーラップ(重ね合わせ)をしながら行った。最も高いところの標高は約27mにまでなっているという。
また、国土地理院では、写真判読を行い、地形判読図を作成、さらに他の機関の映像などを併せて判読を進めたところ、最も大きな火口は新島南西にある噴火時からの火口で、活発に噴出物を出している。噴火口は複数あり、写真判読では2カ所確認された。さらに、古い溶岩の流れを解析したところ、1カ所見つかった。新島は噴火を繰り返して溶岩などが堆積する火砕丘を形成、東の方向に溶岩流を伸ばして面積を拡大していった。
また、海岸沿いの一部や溶岩流間の低地には、噴火で飛んだ火山砕屑などによる砂州が形成されていることが分かった。
