演算性能毎秒1,000兆回超すスパコン運用開始
―新開発の高性能演算装置を付加して実現
:筑波大学

 筑波大学は11月1日、演算性能が毎秒1,000兆回(1ペタフロップス)を超え1.166ペタフロップス(毎秒1,166兆回)に達するスーパーコンピューターの運用を開始したと発表した。筑波大で1ペタフロップスを超えるスパコンが運用を開始したのは、これが初めて。

 

■スーパーコンピューター「HA-PACS」を拡張

 

 この新スパコンは、同大学の計算科学研究センター(茨城・つくば市)で平成24年1月から運用を始めたスーパーコンピューター「HA-PACS」に、同センターが新たに開発した「密結合並列演算加速機構(TCA機構)」という高性能演算装置をプラスして実現したもので、米国のクレイ社、エヌビディア社が技術協力した。
 スーパーコンピューターの世界は、10ペタフロップス(毎秒1京回)級の演算性能を国産スパコン「京(けい)」が達成したことで、その遥か先のエクサフロップス(毎秒100京回)級にまで高める研究がすでに始まっている。
 しかし、使用可能な電力や設置面積の制限から1台のスーパーコンピューターでそれだけの超高性能の実現は難しいとして、何らかの演算加速装置を付加したシステムにすることが不可欠ともいわれている。
 筑波大の新スーパーコンピューターは、従来からあるピーク演算性能802テラフロップス(毎秒802兆回)の「HA-PACS」に、364テラフロップス(毎秒364兆回)の演算性能をもつ高性能演算装置の「TCA機構」を付加して、システムの総ピーク演算性能を1.166ペタフロップス(毎秒1,166兆回)にまで高めることに成功したもの。

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