「JAXAオープンラボ公募」の選定結果を発表
―高加熱に耐える新耐熱材の開発など2件選ぶ
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月8日、「JAXAオープンラボ公募」の今年度1回目の選定結果を発表した。
 JAXAオープンラボ公募は、JAXAと共同研究するテーマを企業・大学などから公募するもので、新しいビジネスを創出する「ビジネス提案」と、優れた宇宙航空関連の製品を研究開発する「新規技術提案」の2種類の公募(募集)があり、今回発表されたのは「新規技術提案」。
 今回は、14件の応募があり、その中から北陸ファイバーグラス(株)提案の「高加熱に耐える3次元炭素織布耐熱材の開発」と、住友精密工業(株)提案の「宇宙用高精度MEMS(マイクロマシニング技術)ジャイロの開発」の2件が選ばれた。
 「高加熱に耐える3次元炭素織布耐熱材の開発」は、宇宙探査機が地球への帰還時に遭遇する大気による加熱から機体を防護する耐熱材料の開発がターゲット。
 北陸ファイバーグラス、岐阜大学、JAXAの研究陣が共同で既存の織機(しょっき)を改造して3次元の多層構造織物を作り、縫製、焼結、樹脂含浸などの処理を加えて高加熱に耐える3次元炭素織布耐熱材を作る。平成25年度中に厚さ数cm、密度1cc当たり0.2gの試験体を作るのが目標。
 一方、「宇宙用高精度MEMSジャイロの開発」は、ロケットに搭載する新しいタイプのジャイロ(角度・角速度を検出する装置)を住友精密工業とJAXAの研究陣が共同で開発する。
 ロケットには、現在、光学式のジャイロが使われているが、半導体などの民生分野に広く普及しているマイクロマシニング技術を用いた機械式の宇宙用高精度MEMSジャイロを開発する。

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