(国)防災科学技術研究所は12月18日、新たな木造建築物の性能検証実験を三木市(兵庫)にある同研究所の実大三次元震動破壊実験施設「E‐ディフェンス」を使って1月19、26の両日、公開で実施すると発表した。
オーストリアで開発され、欧米で普及期を迎えているCLTパネルと呼ばれる積層木材板を使った3階建て建築物をE‐ディフェンスの震動台の上に置いて耐震性などを計測しようと、防災科研、(社)日本CLT協会、(株)日本システム設計などが共同で実施する。
LCTは、木材板を交互に直交するように重ねて接着材で圧着した積層板で、「クロス・ラミネイティド・ティンバー」の略。欧州などでは、既にLCTパネルを使った中高層建築物も建てられている。
そのためわが国でも注目され、平成26年11月に林野庁と国土交通省から「LCTの普及に向けたロードマップ」が発表されているが、地震国日本では構造設計法を新たに構築する必要がある。
E‐ディフェンスでの実験は、LCTパネル建築物の構造設計法検証のため行うもので、3階建て建築物3棟を各1棟ずつ震動台上に置いて実施する。
3棟の大きさは、いずれも幅が6m×10m、高さが10m。1月19日と26日の実験では、それを建築基準法に規定される数十年に1回起こりうる中地震と、極めて稀に発生する大地震に相当する人工地震動で揺することを予定している。