「はやぶさ2」の軌道変更と加速成功を確認
―地球スイングバイで小惑星「リュウグウ」へ
:宇宙航空研究開発機構(2015年12月14日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月14日、小惑星「リュウグウ」探査を目指して飛行中の小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日に行った地球重力を利用した軌道変更と加速(地球スイングバイ)後の軌道の計測と計算をした結果、「はやぶさ2」が計画通りの軌道を順調に飛んでいるのを確認したと発表した。「はやぶさ2」は12月3日の夕方から夜にかけて地球スイングバイを実施、軌道を約80度曲げ、太陽に対する速度を秒速約1.6km上げるのに成功した。

 

■軌道を80度曲げて速度も秒速1.6kmアップ

 

 「はやぶさ2」は2010年に小惑星「イトカワ」の表面サンプルを地球に持ち帰った「はやぶさ」に続く日本の小惑星探査機第2号。今回は「イトカワ」より始原的で、同じように岩石質だが、有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられている「リュウグウ」を目標にしている。

 「はやぶさ2」の基本構造は「はやぶさ」とほぼ同じだが、アンテナ等に新技術を導入している。また、「はやぶさ」になかった新しい観測項目として、衝突装置を使っての露出表面からのサンプル採取も考えられている。

 「はやぶさ2」は昨年12月3日、種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)からH-ⅡAロケット26号機で打ち上げられた。目標の小惑星「リュウグウ」到着は2018年6~7月頃の予定。科学観測や試料採取を行い、翌2019年11~12月頃に「リュウグウ」を離れ、打ち上げ6年後、2度目の東京オリンピックが開かれる2020年11~12月頃、地球帰還を予定している。

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