再生医療向けの新技術・製品を3企業が開発
:幹細胞評価基盤技術研究組合(2015年10月8日発表)

 (国)産業技術総合研究所などが参加する「幹細胞評価基盤技術研究組合」は10月8日、同組合メンバーの(株)DNAチップ研究所、ゼノアックリソース(株)、大陽日酸(株)の3社がそれぞれ再生医療関連の新技術・製品を開発したと発表した。

 同技術研究組合は、26の企業と2つの研究機関、1つの団体が参加して「幹細胞実用化に向けた評価基盤技術の開発」を目指し平成23年に設立された組織。

 骨、脂肪、心筋、神経などに分化していく幹細胞のことを「間葉(かんよう)系幹細胞」という。今回の3社の新技術・製品は、いずれも間葉系幹細胞を再生医療に利用していくために開発した。

 (株)DNAチップ研究所が開発したのは、ヒト間葉系幹細胞の品質評価技術。継代培養でのDNA(デオキシリボ核酸)の変異を従来の約100倍の解像度で網羅的に、かつ少ない日数で検出できるという。同研究所は、このサービスを10月8日から開始。

 ゼノアックリソース(株)は、国産初の細胞凍結保存液を開発し今年5月から販売しており、間葉系幹細胞の凍結保存にも適応が可能であることをつかんだ。

 大陽日酸(株)の成果は、生体試料の「温度履歴情報統合管理システム」で、同技術研究組合メンバーの(国)国立成育医療研究センターと共同で開発した。

 再生医療で細胞利用を行うには、増殖培養後の凍結処理、拠点間の輸送移動が必須となる。新開発の温度履歴情報統合管理システムは、培養増殖後の分注から凍結解凍までの複数の工程の個々の温度データをサーバーに集めて一括管理する。同社は、平成28年4月にこの温度履歴情報統合管理システムを間葉系細胞の培養や凍結保存を行っている施設、間葉系細胞移植実験施設など向けに商品化する予定という。

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