小惑星「1999JU3」を「Ryugu」と名付け
―「はやぶさ2」探査で7336件の応募から選定
:宇宙航空研究開発機構(2015年10月5日発表)

 (国)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月5日、飛行中の探査機「はやぶさ2」の探査対象の小惑星「1999JU3」を「Ryugu」と名付けたと発表した。日本の「浦島太郎」の昔話にちなんだという。「はやぶさ2」打ち上げ後の7月から8月にかけてJAXAが行った小惑星1999JU3の名称公募に応じた7336件の中から選んだ。

 

■サンプル持ち帰りの思い込め

 

 この名称はJAXAの有識者による選考委員会が選定した。「Ryugu」選定についてJAXAは、浦島太郎が竜宮城から玉手箱を持ち帰ってくることが「はやぶさ2」で小惑星から貴重なサンプル入りカプセルを地球に持ち帰ることに重なることや、小惑星「1999JU3」は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称であること、「小惑星の名称は神話由来が望ましい」とする国際天文連合の命名ルールにも合致すること、などによると説明している。

 「1999JU3」は、直径900mの形がほぼ球形で「C型」と呼ばれる小惑星。岩石質のS型小惑星「イトカワ」に比べて太陽系形成初期の有機物や含水鉱物をより多く含むと考えられている。

 「はやぶさ2」は、「はやぶさ」成功の経験を生かして太陽系の起源・進化と生命の原材料物質解明のため、小惑星「Ryugu」(打ち上げ時の名称は「1999JU3」)を目指して2014年12月3日にJAXAが種子島宇宙センターからH-ⅡAロケット26号機で打ち上げた。

 「はやぶさ2」は2015年11~12月に地球重力を利用して目標に向かう軌道変更と加速を行う地球スイングバイを実施、「Ryugu」到着は2018年6~7月頃という計画になっている。着陸して科学観測や資料採取など行い、2019年11~12月ころに「Ryugu」を離れ、打ち上げ6年後の東京オリンピックの年(2020年)11~12月ころ、地球に帰還する。

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