筑波大学は3月11日、同大学数理物質系の宮崎修一教授が「第56回本多記念賞」を受賞することになったと発表した。同日、(公財)本多記念会が公表したもので、5月29日に東京・神田の学士会館で贈呈式が行われる。
宮崎教授は、形状記憶合金の世界的研究者で、チタン・ニッケル超弾性合金の発明が評価されての受賞。通常の金属は、伸びが0.5%以上になると力を除いても元の長さには戻らない。それに対し、その約10倍伸ばしても元の形状に戻るのが超弾性合金。
チタン・ニッケル超弾性合金を世界で初めて開発したのが宮崎教授で、極めて安定した形状記憶効果も実現した。
本多記念会は、KS鋼を発明した金属工学者で、東北帝大総長を務め、第1回文化勲章を受けた故本多光太郎博士の業績をたたえ、研究者の顕彰事業などを進めている。この賞は、金属とその周辺材料の研究で卓越した成果を挙げた研究者1人に毎年贈呈されている。