過去の大地震での下水道管の「被害データベース」を公開
:国土技術政策総合研究所(2015年3月10日発表)

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は3月10日、下水道管が過去の地震で受けた被害状況をまとめた「被害データベース」を公開したと発表した。データベースは、自治体などの効率的な耐震化や復旧の優先度の判定など地震対策に有用としている。

 このデータベースは、2007年の能登半島地震、同年の新潟県中越沖地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、同年の長野県北部地震を対象に、下水道管施設が受けた被害の情報を整理したもので、同研究所下水道研究室のホームページからダウンロードできる。アドレスは、http://www.nilim.go.jp/lab/ebg/index.htm

 わが国の下水道管のうち、重要な幹線の耐震化率はまだ低く、2013年度末で44%。このため、将来想定される南海トラフ連動型地震や首都直下型地震などに備え耐震化率のアップが強く求められている。しかし、被害情報が少ないため、対策が必要な箇所の特定や優先度の判定の精度が低く、その改善が課題となっている。

 公開されたデータベースには、下水道管のスパン(上流と下流のマンホールの間の管路長)ごとに、▽管路諸元データ(土被り、管種、管径、マンホールの種類など)、▽地震関連データ(震度など)、▽管路被害データ、などが記されている。

 同研究所は、「過去の被害データに基づき、効率的な施設の耐震化や応急復旧の優先度判定が行なえ、被害の最小化を図ることが可能になる」としている。

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