(独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は3月13日、「カルビンサイクル強化イネ」と呼ばれる遺伝子組み換えイネの平成27年度の栽培実験計画書を発表した。
カルビンサイクルは、植物の細胞で行われている光と水と空気中の二酸化炭素(CO₂)からデンプンや糖などの炭素化合物を作る光合成反応のこと。同研究所が開発に取り組んでいるカルビンサイクル強化イネは、遺伝子組み換え技術を使って米粒に栄養分として蓄積されるデンプン・糖の合成量を増やすことを目指している。
発表によると、栽培実験を行うのは、つくば市(茨城)の同研究所内にある高機能隔離圃場(ほじょう)で、1面の面積が約5a(アール:1aは100㎡)の水田2面を使い4系統のカルビンサイクル強化イネと対照品種として「日本晴」などを育てる。
タネを播くのは、4月下旬、育った苗を5月中旬に高機能隔離圃場へ移し、10月下旬の収穫を目指している。
栽培区域は、最も近い通常の圃場から250m以上離れ、開花の時期に強風が想定された場合にはカルビンサイクル強化イネを植えた水田の周囲に防風ネットを張って交雑防止措置をとるという。