
農家圃場での収穫量と倒伏程度のグラフ(グラフ上の数値は倒伏程度を表し、1:無~9:甚)(提供:農業・食品産業技術総合研究機構)
(独)農業・食品産業技術総合研究機構は9月29日、極早生(ごくわせ)で、夏播き・年内収穫ができ、倒伏しにくく耐病性に優れ、多収のエンバク(燕麦)の新品種をカネコ種苗(株)と共同開発したと発表した。
エンバクは、カラスムギとも呼ばれるイネ科の一年草。種子は飼料と食料に、葉は飼料にそれぞれ使われ、栽培法として日本国内で普及しているのが自給飼料の端境期となる冬季に牧草を供給できる夏播き・年内収穫栽培。
新開発のエンバクは、「K78R7」と呼ばれ、8月末から9月に播種して年内に収穫できる極早生性に加えて、「耐倒伏性や病害抵抗性を確保しつつ多収性を実現した」と農研機構はいっている。
農研機構とカネコ種苗は、九州・関東両地域を中心に22カ所の農家圃場(ほじょう)で「K78R7」の試験栽培を実施済みで、カネコ種苗は既に、この新品種の種子を「アーリーキング」の商品名で販売を始めている。