小惑星探査機「はやぶさ2」11月30日打ち上げ
―小惑星「1999JU3」の物質を採取、2020年帰還の予定
:宇宙航空研究開発機構(2014年9月30日発表)

 (独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(株)は9月30日、小惑星探査機「はやぶさ2」を11月30日に種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)からH-ⅡAロケット26号機で打ち上げると発表した。目標は地球から約3億km離れた小惑星「1999JU3」で、同星到着は2018年半ば。サンプルを採取して2019年末ごろに同小惑星を離れ、地球帰還は2020年の予定である。11月の打ち上げができなかった場合の予備日は、12月1日から同月9日までとなっている。

 

■人工クレーター作り内部物質採取の試みも

 

 「はやぶさ2」は、2003年5月に打ち上げられ、小惑星「イトカワ」で採取した微粒子サンプルを2010年6月に地球帰還した「はやぶさ」の後継機で、今回はS型と呼ばれる「イトカワ」とはタイプが違うC型の小惑星「1999JU3」が目標。この小惑星は直径900mほどの球形に近い形をしており、C型はS型と同じ岩石質なのに表面物質には有機質や含水鉱物をより多く含んでいると考えられている。

 重さ約600kgの「はやぶさ2」本体の基本構造は「はやぶさ」とほぼ同じだが、新技術を取り入れ、アンテナを換えた。「はやぶさ2」は「1999JU3」到着後、1年半ほどの滞在期間中にタッチ・アンド・ゴー方式で表面物質を採取。さらに、”衝突装置”で表面に直径数mの人工クレーターを掘って観測、小惑星地表下の物質採取も試みる。「はやぶさ2」はこうして6年かけて探査を行い、小惑星「1999JU3」のサンプルを地球に持ち帰る計画。

 また、今度の「はやぶさ2」打ち上げではロケットの打ち上げ能力に余裕があるので、九州工業大学など3大学がそれぞれ開発した60kg以下の小型衛星3基も同時に打ち上げられる。

詳しくはこちら