潤滑油などの劣化度評価する携帯型測定装置を開発
:農村工学研究所/トライボテックス

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携帯型測定装置の試作機(提供:農村工学研究所)

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構の農村工学研究所は3月18日、トライボテックス(株)と共同で機械などに使用中の潤滑油やグリースの劣化度を誰でも簡単に評価できる携帯型測定装置を開発したと発表した。
 機械などに使用されている潤滑油やグリースを採取してこの測定装置の検出部に塗布するだけで劣化度を判定でき、専門知識がなくても自由に使える。
 この新測定装置は、全国各地にある農業用ポンプ設備の軸受や減速機に使われている潤滑油、グリースの点検向けに開発したものだが、電力や下水分野、自動車など「潤滑油やグリースを使う機械設備は全て対象となり、幅広い分野での利用が期待される」という。
 試作された測定装置の大きさは、縦が19.5cm、横が9.5cm、厚みが4cmで、重さは約500g。①赤外線を発する発光素子とその光が透過するプリズム、透過してきた赤外線を受ける受光素子でできた検出部と、②評価部、③表示部、で構成され、測定サンプルの状態が瞬時に「良好」、「注意」、「異常」の3段階評価で表示される。
 プリズムの内部を通過する赤外線は、プリズムの表面に塗布されたサンプル(潤滑油、グリース)によってエネルギーが変わり、プリズムを透過してきた赤外線の強度を受光素子で電気的に検出することで劣化の程度がわかるという仕組み。
 潤滑油やグリースが使われている機械の現場で“その場”測定が行え、劣化度と併せて含まれている水分量がスイッチで測定モードを切り替えるだけでわかるのも大きな特徴という。

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