九州南部など暖かい地域向けのナタネの新品種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は2月13日、九州の南部など暖かい地域での栽培に適したナタネの新品種「ななはるか」を開発したと発表した。
 この新品種は、成熟が早く、実からエルシン酸を含まない味の良い食用油が採れる。
 エルシン酸は、脂肪酸の一種。これを含む油を多量摂取すると心臓に疾患が生じる可能性があるとされ、関東地方以西では「ななしきぶ」と呼ばれる無エルシン酸の食用油が得られるナタネ品種が栽培されている。
 しかし、「ななしきぶ」は、成熟期が遅いため、九州南部のような暖地では収穫期が梅雨になり、発芽によって実の品質が低下する現象が生じる。
 新開発の「ななはるか」は、無エルシン酸の食用油が得られる成熟期が早いナタネで、九州南部などの暖地での栽培に適し、農研機構は鹿児島県内での栽培でこれまでの「ななしきぶ」より4日早く成熟期に達することを確認している。
 九州地域の2012年のナタネの作付面積は、283ha(ヘクタール、1haは1万m2)で、全国の18%を占めている。農研機構は、この新品種「ななはるか」について「鹿児島県内で30haの作付けが見込まれている」といっている。

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