(独)農業・食品産業技術総合研究機構は1月25日、同機構畜産草地研究所のソムファイ タマス研究員(ハンガリー出身)が平成24年度の「日本農学進歩賞」を受賞したと発表した。
この賞は、(公財)農学会が農学の進歩に顕著な貢献をした40歳未満の研究者に毎年授与しているもので、11回目となる今年度は11人が受賞した。
タマス研究員の受賞は、「高受胎率が望める牛受精卵の体外生産・凍結保存・選抜技術の開発」に対し行われたもの。
牛の体外受精卵は、高濃度の脂肪を含み保存するのに必要な凍結に弱い。このため、凍結保存後の生存率が低く、我が国の場合、受精卵移植による子牛生産の内、体外受精卵移植によるものは10%程度にとどまっている。
タマス研究員は、平成21年4月から同研究所で研究を始め、健康食品に使われているビタミン様物質の「L-カルニチン」を牛の受精卵の培養液に添加して脂肪の代謝を良くする方法を開発、牛の体外受精卵の凍結保存後の生存率を大幅に高めることに成功した。今回、その功績が高く評価されて受賞となった。
No.2013-3
2013年1月21日~2013年1月27日