木造3階建て“模擬校舎”の火災実験結果を発表
―実験終了後も倒壊はなし
:木造3階建て学校実大火災実験実行委員会

 国土交通省の国土技術政策総合研究所などで構成される「木造3階建て学校実大火災実験実行委員会」は1月24日、岐阜県下呂市で昨年11月に行なった木造3階建て学校実大火災実験の結果を発表した。
 建築基準法は、3階建ての学校について耐火建築物にすることを義務付けている。それに対し、国交省と同委員会は、一定の仕様を満たしている木造3階建て学校に限り準耐火建築物とすることが可能となるようその検証を進めている。
 同委員会が下呂市で行った木造3階建て学校の実大火災実験は、その一環として実施されたもので、国土技術政策総合研究所が同市御厩野(みまやの)に1階が職員室、2階と3階がそれぞれ2つずつの教室になっている建築面積約310㎡、延べ面積同850㎡の“模擬校舎”を建てて行った。
 実験は、建物の内外518カ所に温度センサー(熱電対)、41カ所に熱流センサー(熱流束計)をそれぞれ取り付けるほか、ビデオカメラを建物の中に13台、外に7台設置して行なわれ、火災の拡大性状、煙の流動性状、消火後の建物の様子などが詳細に調べられた。火は、一度点火したものの拡大しないため、点火後50分に再着火した。点火から129分後(再着火後約79分)に1階から2階へ延焼し、139分後(同約89分後)に外部開口を通じて3階へ拡がった。142分後に消し止められたが、実験終了後も倒壊はなかった。
 同委員会と同研究所は、この実験で得られたデータの詳細な分析を行って平成25年度に次のステップの基準化を想定した仕様による実大火災実験を実施する予定という。
 「木造3階建て学校実大火災実験実行委員会」は、同研究所、(独)建築研究所、早稲田大学、秋田県立大学、三井ホーム(株)、住友林業(株)、(株)現代計画研究所などで構成されている。

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