(独)国立環境研究所は9月28日、インターネット上のライブ映像を活用することで多地点の「植生フェノロジー」(植物の季節変化)が自動的に観測できることを実証したと発表した。
植物の開葉、開花、紅葉、落葉といった季節変化(フェノロジー)は、気温、降水量、日長や栄養状態など様々な環境要因の影響を受ける。こうした植生フェノロジー観測は、現在のところ人の目に頼るしか手立てがないが、今回の手法を使えば植生フェノロジー観測を数値化でき、統一的・客観的な観測が可能になるという。
同研究所は、環境省がインターネット上に設けている「インターネット自然研究所(http://www.sizenken.biodic.go.jp/)」のライブ映像を使って全国7か所の国立公園で撮影された8年間の毎日の画像を詳細に解析。画像に含まれる赤・緑・青の色を表す値から、緑の量を表す指標を算出することで多地点の植生フェノロジーが自動的に観測できることをつかんだもの。
算出された指標は、生態系の種類や樹種ごとの実際のフェノロジーの時間的変化をよく反映し、全国の森林の開葉日を推定することに特に有効であることが分かったという。
No.2010-38
2010年9月27日~2010年10月3日