(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月27日、日本版GPS(全地球測位衛星システム)の実現を目指す準天頂衛星「みちびき」が同日、予定の準天頂軌道に入ったと発表した。 「みちびき」は、9月11日に同機構の種子島宇宙センター(鹿児島)から「H-ⅡA」ロケット18号機で打ち上げられ、9月21日から運用軌道の準天頂軌道へ移すための軌道制御が行われてきた。この日朝、最後の軌道制御を実施、準天頂軌道入りが確認された。 「みちびき」は、高度38,950~32,618 km、傾斜角41度、周期23時間56分の準天頂軌道を周回しており、日本とオーストラリアの間の空を数字の「8」の字を描くように回っている。「みちびき」は、日本から連続して8時間は見えることから、GPSのような測位信号放送機器などを使ったGPS 利用可能地域・時間の拡大や測位情報の高精度化・高信頼化を図る技術の実証実験を実施する。10月19日から測位信号を発して機能確認後、今年12月には実験開始の計画。 民間101社が参加する58件の実証実験には、▽受信端末を持つ児童の居場所が数mの精度で分かる登下校見守りシステム、▽名所に立つと位置情報と連携していて、見所を解説してくれる観光案内システム、▽無人運転農機による次世代種まき実験―などがある。これらの実験結果を評価の上、「みちびき」を含む準天頂衛星3機による日本版GPSを実証する第2段階に進む段取りだが、2号機の打ち上げ年度など詳細はまだ決まっていない。
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「みちびき」の想像図(提供:宇宙航空研究開発機構) |
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