絶滅危惧植物が開花
:国立科学博物館筑波実験植物園

 (独)国立科学博物館筑波実験植物園は9月29日、自生地以外では開花が極めて少ない多年性のつる植物「コウシュンウマノスズクサ」が、つくば市の同植物園で開花したと発表した。
 コウシュンウマノスズクサは、絶滅が危惧されている植物の一つで、自生地以外の開花は数例報告されている程度といわれ、同植物園での開花は今度が初めて。
 コウシュンウマノスズクサは、「ウマノスズクサ科」に属すつる植物で、体内にアルカロイド系の毒を持ち、台湾、中国、東南アジアなどに分布し、長さは5mにも達する。我が国でも沖縄県の宮古諸島と尖閣諸島(中国名・釣魚島)に自生するが、絶滅の恐れがあり、沖縄県はレッドデータブック(絶滅の危機にある野生生物の現状を記録した資料集)で「絶滅危惧Ⅱ類」に指定している。
 写真(右)は、今回の開花状態を写したもので、花弁は退化し、がく筒(花)がラッパ状になっている。
 同植物園は、この開花したコウシュンウマノスズクサをこのほど開催した「絶滅危惧植物展」(10月2日~11日)で一般に公開した。

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開花したコウシュンウマノスズクサ(提供:筑波実験植物園)