(独)農業環境技術研究所と(独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所は3月28日、昨年8月に関東・東海地域を襲った異常高温により、この期間に出穂・開花した水稲で通常より高い割合で不稔が発生していたことを確認したと発表した。
不稔とは、受精の失敗により種子が実らない現象のこと。水稲の開花時の温度が35ºCを超えると受精障害による不稔の籾(もみ)が多発することが知られているが、昨夏の異常高温は観測史上最高の40.9ºCを記録したため不稔率の増加が懸念されていた。
このため、両研究所は、群馬・埼玉・茨城・岐阜・愛知の各県と協力して記録的な高温に遭遇した地域の不稔発生の現地調査を行った。その結果出穂・開花の時期に高温にさらされた水田で通常より高い割合で不稔が発生する傾向が見られた。
ただ、出穂・開花の時期に高温に遭遇した水稲が少なかったことから作況に影響を及ぼすほどの大きな被害にはならなかった。
No.2008-12
2008年3月24日~2008年3月30日