廃棄物の「人工鉱石化リサイクル」を提案
:物質・材料研究機構

 (独)物質・材料研究機構は3月27日、電子機器など有用金属を含んだ廃棄物を「人工鉱石」資源にする「人工鉱石化リサイクル」という提案をまとめ発表した。
 人工鉱石化リサイクルとは、これまでのような回収した廃棄物からただ単に有用金属を「抽出」するのではなく、リサイクル鎖(工程)の中に「濃縮」というプロセスを導入し、抽出しやすい付加価値の高い人工鉱石にして提供するという考え方。
 濃縮は、天然の鉱山に例えるなら純度の低い「粗鉱」から高濃度の「精鉱」を作るプロセスに相当し、精鉱づくりに相当するプロセスが従来のリサイクルでは欠けていたことに着目した。
 人工鉱石化の鍵となる濃縮には、金属成分の特性に合せた選別技術が必要だが、これに応える技術として(独)産業技術総合研究所などが開発した選択粉砕と微粒子分離の技術、物材機構のピンポイント分離技術などを挙げている。将来的には、製品自体に解体・分解性素材を組み込むことが重要になるとし、物材機構が研究している解体性接合技術などが必要になってくるとしている。
 都市で大量に捨てられている廃棄物には、金属などの有用資源が含まれていることから「都市鉱山」と呼ばれている。今回の発表は、”都市鉱山で精鉱を!”と唱えているようだ。

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