(独)森林総合研究所と日本医科大学は3月25日、森林浴が働く女性の免疫機能を高め、ストレスホルモンを低下させることを科学的に証明したと発表した。
森林浴の認知度は高まっているが、さらに普及させるためには免疫機能向上やストレス低下など健康への効果を科学的に検証することが必要とされている。これまで森林総研と日本医科大は、男性サラリーマンについて森林浴がウイルスなどを殺傷するヒトNK(ナチュラル・キラー)細胞やリンパ球内抗がんタンパク質の増加によってNK活性を上昇させ、持続効果のあることを明らかにしてきた。一方、内分泌系などが男性と異なる女性については、森林浴の効果はまだ明らかにされていなかった。
このため、若くても職場環境が厳しくてストレスが高く免疫能が低下していると考えられている女性看護師を対象として、東京都内の大学附属病院に勤務する健康な女性看護師13人(年齢25~43歳、看護師歴4~18年)を選び、日本医科大倫理委員会の承認など必要な手続きをとった後、長野県信濃町の森林地域に3日間(2泊3日)滞在して森林浴を体験し、免疫系、内分泌系などへの影響を測定した。
その結果、森林浴が女性看護師のNK細胞数や細胞内抗がんタンパク質を増加させ、それが継続することにより抗がん免疫機能を高めることを明らかにした。また、尿中アドレナリンなどのストレスホルモンが低下したことから、森林浴のリラックス効果も実証できた。森林浴による女性への免疫向上やストレス低減効果の発表は、我が国初。
No.2008-12
2008年3月24日~2008年3月30日