メソポーラス金属ファイバーの合成に成功
:物質・材料研究機構/早稲田大学

 (独)物質・材料研究機構と早稲田大学は3月28日、直径が数nm(ナノメートル、1nmは10億分の1m)の細孔が規則正しくあいた金属ファイバーの合成に成功したと発表した。
 直径が2~50nmの細孔のことを「メソ孔」といい、メソ孔が規則的にあいたメソポーラス物質の開発がナノテクノロジーの一分野として内外で進んでいる。今回の成果は、「メソポーラス金属ファイバー」を合成したもので、燃料電池の電極やバイオセンサーなど幅広い分野への応用が期待できるという。
 アルミニウムの板に陽極酸化という処理を加えると表面に微細な孔のあいたポーラスなアルミナ(酸化アルミニウム)の層ができることが知られている。この陽極酸化ポーラスアルミナの細孔を“鋳型”にしてメソポーラス金属ファイバーを作ることに成功した。
 金属を含む溶液に界面活性剤とエチルアルコールを加え、その混合液をポーラスアルミナの細孔に浸み込ませて、鍍金(メッキ)技術で孔の中に金属を析出させ、鋳型のポーラスアルミナを溶かし去ると規則正しくメソ孔があいた金属ファイバーが得られる。金属ファイバーの直径は、用いるポーラスアルミナの孔の直径によって制御できる。
 合成したメソポーラス金属ファイバーは、白金だが、ほとんどの金属、合金に適用できるという。

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