国内外の研究者にマウスiPS細胞の提供を開始
:理化学研究所/京都大学

 (独)理化学研究所バイオリソースセンター(理研BRC)と京都大学は3月26日、京都大学の山中伸弥教授らが開発したマウスの「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の提供事業を開始したと発表した。
 iPS細胞は、2006年に京大の山中教授らが世界で初めてマウスの線維芽細胞から開発に成功したもので、胚性幹細胞(ES細胞)と同様に、分化多能性を維持したまま長期培養が可能なため、基礎生物学から再生医学に至るまで幅広い研究領域において、革新的な発展を遂げる可能性を秘めた「夢の細胞」として世界的に注目を集めている。iPS細胞を求める要望が多いため、今回京都大学は理研BRCを通じて、国内外の大学や試験研究機関の研究者に分配する体制を整えた。
 提供希望者は、京都大学指定の誓約書(京都大学産官学連携本部ホームページからダウンロード可能)を京都大学に提出し、その後、理研BRCと生物資源提供同意書(理研BRC細胞材料開発室ホームページからダウンロード可能)を取り交わした後、理研BRCからiPS細胞の提供を受けることになる。
 分配するIPS細胞は、保存チューブ内に100万個程度を封入し、凍結状態で送付する。提供は、非営利事業として行うが、送付にかかる経費として保存チューブ1本あたり2万4000円を理研BRCに納入する。
 京都大学から理研BRCへのマウスiPS細胞の寄託手続きは、昨年8月に行われたが、昨年山中教授によって開発されたヒトiPS細胞についても、現在寄託手続きが進められている。

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国内外の研究者に提供を開始したiPS細胞保存チューブ(提供:理化学研究所、京都大学)