遺伝子組み換えカイコに交雑は見られず
:農業生物資源研究所(2016年2月1日発表)

 (国)農業生物資源研究所は2月1日、遺伝子組み換えカイコ(緑色蛍光タンパク質含有絹糸生産カイコ)の飼育実験を群馬県内の飼育区画で平成27年7月と9月の2回行い、クワの葉に自生するカイコの原種である「クワコ」との交雑はなかったと発表した。

 これらの実験は、前橋市の群馬県蚕糸技術センターの隔離飼育区画で平成27年7月14日からと、同9月16日からの2回行い、この間、クワコとの間での交雑を調べるモニタリング調査を行った。

 1回目の飼育カイコは8月3日に、2回目のものは10月6~8日に繭(まゆ)収穫をした。飼育は、それぞれ、パイプハウス蚕室とプレハブ蚕室で行われ、パイプハウス蚕室の内側全体と、プレハブ蚕室の開閉可能な窓、戸、換気口に網を張り、クワコ成虫の侵入を防ぐ交雑防止措置を施した。

 隔離飼育区画の四隅の外側に、性フェロモン(ボンビコール)を誘引源として粘着板で捕獲するフェロモントラップを設置してクワコの成虫を捕獲し交雑を調べた。

 その結果、平成26年12月18日までにクワコのオスの成虫354匹を捕獲。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法と呼ばれる遺伝子検査法などで調べたところ、緑色蛍光タンパク質遺伝子または赤色蛍光タンパク質遺伝子は検出されず、交雑は見られなかった。

 収穫した繭は、いずれも冷凍によって不活化した。残ったクワの枝などは、隔離飼育区画内の残渣処理室で粉砕処理して不活化した。

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