(国)農業・食品産業技術総合研究機構は2月1日、大規模な飼料作物生産者向けに、トウモロコシの種まき作業時間を従来の方法より半減する技術「耕うん同時は種法」を開発したと発表した。
これは、関東以南の酪農現場で広く採用されている、夏作飼料用トウモロコシと冬作のイタリアンライグラスの二毛作での省力化に向けた、同機構畜産草地研究所による技術開発。イタリアンライグラスの収穫後に株が残るため、飼料用トウモロコシの種まき作業は、その前に土壌の耕起や砕土などの作業が必要となっていた。
今回の開発は、従来法の反転耕、砕土耕、整地、種まき、鎮圧の作業工程を1つにし、土壌を攪拌し砕土する縦軸型ハロー、整地をするパッカーローラー、種まきの精度が高い真空播種(はしゅ)機を一度にトラクターで牽引するもの。作業時間を1ha(ヘクタール)当たり58%、トラクターの燃料消費量を同67%削減、種まき作業のためのコストを同8%削減が可能。この方法は、40ha以上の大規模飼料生産に向いているという。