継続使用性能高めた実大5階建て建築物の損傷実験
:国土技術政策総合研究所(2015年10月20日発表)

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平成26年度に実施した実大建築物実験(提供:国土技術政策総合研究所)

 国土交通省の国土技術政策総合研究所は10月20日、地震後も継続して使用できるよう改良を加えた高さ19mの実大RC(鉄筋コンクリート)造り5階建て建築物の損傷実験を行うと発表した。実験は、12月21日に一般見学者に公開して行う。

 東日本大震災では、RC造り建造物で、耐震安全性は十分保たれていたものの部材が激しく損傷してしまい、震災後重要な役割を果たすべき建造物が使えなくなって問題となった。

 国総研は、それに対応するため、わずかなコストで大地震後も使い続けられる構造の開発を目指すプロジェクト「災害拠点建築物の機能継続技術の開発」を平成25年度から進めており、今回の損傷実験はその一環として実施する。

 昨年度も柱の脇に「そで壁」と呼ばれる部分的な壁を設けた高さ19mの実大RC造り5階建て建築物の損傷実験を行っているが、今回はさらに「腰壁」、「垂れ壁」という部分的な壁を梁(はり)の上下に取り付けた、より継続使用性能の高い設計にして損傷実験を行う。

 つくば市(茨城)の(国)建築研究所内にある実大構造物実験棟を使って実施するもので、5階建て建造物の大きさは、長さ6m、幅12m、高さ19mで、これに水平方向から徐々に大きな力を加え、変形や損傷を計測記録する。

 実験の一般見学者募集は50人で、希望者は電子メールで氏名、会社名、連絡先電話番号を記載して12月8日までに申し込む。先着順。

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