(国)筑波大学は9月29日、同大学の「国際統合睡眠医科学研究機構(略称:WPI-IIIS)」が米国メルク社と創薬共同研究契約を締結したと発表した。
筑波大にとって海外企業との初めての大型共同研究契約で、中枢神経系の治療法研究を双方の力を結集して行う。柳沢正史機構長(教授)は、「大変うれしい。当機構の基礎研究で得られた知見を米国メルク社の専門技術と融合させることで新たな治療法を患者に届けることができるものと期待している」という。
動物はなぜ眠るのか、眠気とは何か―。同機構は、その睡眠の基礎科学の研究拠点。国内外からの約200人が研究に取り組み、文部科学省は「世界トップレベル研究拠点(WPI)」の一つと位置付けている。
一方、米国メルク社は、ニュージャージー州に本社を置く世界2位の大手製薬会社。世界140カ国以上で事業を展開している。
共同研究契約は、①筑波大が今後2年間にわたり研究費を受領する②米国メルク社は共同研究で得られた技術や資産の独占的ライセンス許諾を筑波大から受ける権利の優先交渉権を持つ、という内容。柳沢教授と同機構主任研究者の長瀬博教授の研究グループが米国メルク社の研究陣と提携して中枢神経疾患の新たな治療選択肢の探索に取り組む。



