気象庁の気象研究所は4月8日、日本気象学会の「日本気象学会賞」を同研究所気象衛星・観測システム研究部第二研究室の小司禎教室長、「岸保賞」を予報研究部の斎藤和雄部長が、それぞれ受賞したと発表した。
この日本気象学会の2つの賞は、気象学や気象技術の優れた研究に対し贈られている。
小司室長の受賞は、「GNSS地上観測網による水蒸気量推定と気象学への応用に関する研究」が評価された。GNSSは、人工衛星を利用する全地球航法衛星システムのこと。気象の分野では、1990年代初めからGNSS気象学が提唱され、小司氏の行ったGNSS地上観測網を活用した独創的な気象研究が認められた。
また、斎藤部長への「岸保賞」は、メソスケール気象予測の研究などへの取り組みに対し贈られたもの。気象の分野では、台風や前線など水平規模で2kmから2,000kmの領域の気象学のことをメソスケール気象学と呼ぶ。斎藤氏は、メソスケール気象予測の改善・高度化に貢献し、2011年からは文部科学省の「超高精度メソスケール気象予測の実証」研究の課題実施責任者を務めている。