国立研究開発法人国立環境研究所は4月6日、汎用IT(情報技術)製品に使用されているレアメタル(希少金属)の環境への影響などに関する研究報告書をまとめたと発表した。同研究所のホームページ「http://www.nies.go.jp/kanko/tokubetu/index.html」で閲覧できる。
レアメタルは、近年、電子材料や磁性材料などへの需要が急増している一方で、その有毒性が明らかになりつつある。このため、レアメタルを使った製品の製造、流通、使用、リサイクルといったライフサイクルの各場面での環境への排出を監視することが必要になっている。
今回の報告書は、同研究所が平成23〜25年度まで3年間かけて行った「汎用IT製品中金属類のライフサイクルに着目した環境排出・動態・影響に関する横断連携研究」の成果をまとめたもの。
報告書によると、この10年間にレアメタルの一種、インジウムが急激に使用されるようになってきたにもかかわらず、都内の大気中のインジウム濃度は減少傾向にあることが判明したという。
また、製品中のレアメタルは、酸性環境で溶出が促進され、土壌が鉛で汚染されると土壌中の生物構成に変化が生じ金属耐性をもつ細菌にシフトする可能性があることなども分かったとしている。