高エネルギー加速器研究機構(KEK)と日本原子力研究開発機構(JAEA)は6月18日、両機構が共同で運営する大強度陽子加速器施設「J-PARC」(茨城・東海村)のハドロン実験施設で発生した放射性物質漏えい事故を検証する有識者会議を同日付けで設置したと発表した。
J-PARCは、光速近くに加速した陽子を標的に照射してニュートリノやπ中間子などの2次粒子を発生させ、その2次粒子を利用した実験を行う施設。ハドロン実験施設は、その実験施設の一つで、強い相互作用で結合した「ハドロン」と呼ばれる複合粒子の実験を行っている。
そのハドロン実験施設で5月23日午前11時55分頃、放射性物質の漏えい事故が発生した。今回の有識者会議は文部科学大臣からの要請に基づいて設置されたもので、「安全管理体制および緊急時に実施すべき手順などを検証し、J-PARCセンターで進める当該事故対策計画の妥当性を客観的に評価し、両機関(KEKとJAEA)に助言する」としている。
有識者会議のメンバーは、次の5氏。
▽矢野安重・理化学研究所特別顧問▽中野貴志・大阪大学核物理研究センター長▽永原裕子・東京大学教授▽佐藤幸也・東海村総合政策部長▽高野研一・慶応義塾大学教授
No.2013-24
2013年6月17日~2013年6月23日