
公開された「こうのとり」4号機(提供:JAXA)
(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月19日、種子島宇宙センター(鹿児島・南種子町)から8月4日にH‐ⅡBロケット4号機で打ち上げる国際宇宙ステーション(ISS)への無人補給機「こうのとり」4号機(HTV4)を報道陣に初公開した。「こうのとり」4号機は日本時間の8月10日頃にISSとドッキング、ISSに滞在中の宇宙飛行士への食糧や飲料水、新たな実験装置などを運ぶ。
■再突入データ収集装置も搭載
ISSでは2009年から宇宙飛行士6人の常時滞在が続けられているが、日本は独自に開発した無人の補給機「こうのとり」で、米・露などとともにISSへの物資補給を担っている。「こうのとり」は2009年9月に初号機(HTV1)を打ち上げて補給を実施して以来、1年から1年半に1度の割合で「こうのとり」による補給が続けられており、2015年度までに合計で7機の打ち上げが計画されている。
「こうのとり」は全長約10m、直径約4mの円筒状で、最大約6tの貨物搭載能力を持つが、4号機では3号機に続いて、利用のための利便性を向上させた。今回は480ℓの飲料水と乾燥食品やレトルト品などの食料とISSの日本実験棟「きぼう」で使う実験サンプルや実験装置、ポータブル冷凍・冷蔵庫、再突入データ収集装置「i-Ball」など約3.9tと、複数の実験装置を混載した米国の実験ペイロードなど約1.5tの船外実験装置など、合計約5.4tを積み、ISSに輸送する。
任務を終えた「こうのとり」は、ISSで不用になった品や実験が終了した米航空宇宙局(NASA)の船外実験装置などを積み込み、日本時間9月9日頃にISSを離脱、同月11日頃に地球大気圏に再突入する。この再突入で「こうのとり」の機体も、積んできた不用になった品も、ほとんど燃え尽きる形で処分される。