
来園者の目を楽しませてくれることになった新品種の八重桜「はるか」(提供:森林総合研究所)
(独)森林総合研究所は3月27日、同研究所の多摩森林科学園(東京・八王子市)が育成し、震災復興のシンボルとして福島県に寄贈した八重桜の新品種「はるか」の原木をこの春からお披露目すると発表した。
福島県は、NHKの今年のテレビ大河ドラマ「八重の桜」の舞台になっているのに因み、八重桜を復興のシンボルとすることにしている。
一方、多摩森林科学園のサクラ保存林は、わが国最大級のサクラの遺伝資源として知られ、約600系統、1,500本が植えられている。
福島県に寄贈した「はるか」は、そのサクラ保存林にある「思川(おもいがわ)」という名の八重桜の種子を1999年に発芽させ、サクラ類の遺伝研究の材料として育成したものだが、美しい八重咲きの花をつけることが分かって、2012年末、新品種として登録出願している。
八王子市廿里町(とどりまち)にある多摩森林科学園では、3mほどに成長した「はるか」の原木を、来園者の入れない育成地から園内の「森の科学館」前に移植した。春の訪れとともに来園者に楽しんでもらうという。これにあわせて同館の2階ホールで「八重桜写真展」を開催、日本各地の美しい八重桜風景を公開している。
問い合わせは、多摩森林科学園の広報担当者(TEL042-661-1121)へ。