高アミロースと低アミロースの水稲各1品種を開発
:農業・食品産業技術総合研究機構/国際農林水産業研究センター

 (独)農業・食品産業技術総合研究機構は12月14日、アミロース(デンプンの1成分)の含有率が高い高アミロース水稲と、低含有率の低アミロース水稲をそれぞれ1品種開発したと発表した。
 ご飯として食べるうるち米(まい)は、アミロースを17~20%含み、アミロース含有率が低い米ほど粘りが強くなる。
 高アミロース水稲の新品種は、「北瑞穂(きたみずほ)」といい、同機構の北海道農業研究センターと(独)国際農林水産業研究センターが共同で、既存の多収高アミロース品種「夢十色(ゆめといろ)」に北海道初の酒米「初雫(はつしずく)」を2回交配して得た。アミロース含有率は、30%に達する。
 北海道で栽培でき、米粉麺やライスパスタ、米粉クッキーなどに好適という。
 一方、低アミロース水稲の新品種は、「亀の蔵」といい、同機構の中央農業総合研究センターが開発した。
 近年、米粉や米菓などの加工用途向け原料米の重要性が高まっている。「亀の蔵」は、そうした加工用途向けの多収の低アミロース水稲として開発したもの。精白した状態でのアミロース含有率は、3%程度でもち米に近い。
 中央農業総合研究センターは、この低アミロース水稲がソフトタイプ米菓(やわらかく口あたりの良い米菓)に向いていることを亀田製菓(株)との共同研究で確認しているという。
 新潟県内で「亀の蔵」を米菓用として数十ha(ヘクタ-ル、1haは1万㎡)作付けすることが計画されている。

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