国土交通省の国土地理院は12月14日、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動に関し、東京電力福島第一原子力発電所周辺について、改定した測量成果(測量の基準となる緯度、経度、高さ)を12月20日に公表すると発表した。この測量成果は20日以降、同院、東北と関東地方測量部で閲覧や謄本(抄本)の交付を開始する。
平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震により大きな地殻変動が観測された地域について、同院は同年10月に基準点の測量成果を改定した。しかし、福島第一原発周辺の警戒区域や避難指示区域については、測量成果の使用を停止していた。
24年4月から8月にかけて福島県川内村、田村市、南相馬市、飯館村、楢葉町で避難指示解除準備区域などへの見直しが行われ、これに合わせて同院では基準点の再測量を行い、改定した測量成果を公表することになった。
また、基準点などの座標軸のズレを補正する補正パラメーターの範囲を新たに追加し、同院のウェブサイトで提供する。
これにより、福島第一原発周辺では、一部を除いて新しい測量成果に基づいた公共測量などが実施できるようになる。同院では、今後も警戒区域などの見直しに応じ、再測量を行い測量成果を公表することにしている。
No.2012-50
2012年12月10日~2012年12月16日