(独)農業・食品産業技術総合研究機構の東北農業研究センターは11月12日、越冬できる寒地向けナタネの新品種を開発したと発表した。
国内のナタネの主要産地である北海道に適した新品種を目指して開発したもので、その名も「キタノキラメキ」。
北海道では、道央の滝川市を中心とする約500ha(ヘクタール、1haは10,000㎡)の畑でナタネが栽培され、さらに食料の自給率向上施策などにより今後ナタネ栽培が全道に拡大するとみられている。
しかし、寒地の北海道に適した食油用ナタネの奨励品種は、これまで1品種しかなく、寒さに強い新品種の開発が望まれていた。
新品種「キタノキラメキ」は、現在の寒地向け品種「キザキノナタネ」を母親、辛み成分のグルコシノレート含有率が低い米国産品種「オニックス」を父親に人工交配を行い15年間選抜を重ねて育成した。母親・父親とも、種子に有害なエルシン酸を含まない品種で、この「キタノキラメキ」もエルシン酸を含まない。
既に十勝地方で100haの作付けが見込まれており、「北海道のナタネの安定生産に貢献することが期待される」と同機構はいっている。
No.2012-46
2012年11月12日~2012年11月18日